1, 2, 3, 4, 32, 123, 43, 2123, 432, 1234, 32123, 43212, 34321, 23432, 123432, 1234321, 2343212, 3432123, 4321234, 32123432, 123432123, 43212343, 2123432123, 432123432, 1, 2, 3, 4, 32, 123,
の数列であった.
説明によると, これはプラハの天文時計(astronomical clock)の鐘の鳴り方だそうだ.
数列の先頭からこのように, 1時には1; 2時には2,...,と鳴り, 正子(0時)には24時として432123432と鳴って, 1時には再び1と鳴る.
この数列の特徴は,
a) n 時に鳴る数列の和はちょうど n になる.
b) カンマを外してみると, 数列は基本パターン"123432"の繰り返しである.
ということだ.
1,2,3,4と書いてあるが, 鐘は1つで, KnuthのTAOCP, v4f2, 7.2.1.2にあるCambridge Forty-Eightのような, 4つの鐘をある順列で鳴らすのではない.
1は1回, 2は2回鳴り, 5時の32はまず3回鳴り, 次に2回鳴る. それを足しながら数えれば時刻が分かる仕掛けだ.しかし24まで間違えずに数えるには, 忍耐もいるであろう.
なぜこういうことが出来るか.
実は, この不思議な数列は24まで続くだけでなく, どこまでも作れる. 計算機が手元にあれば, お茶の子だ.
(1 (1))
(2 (2))
(3 (3))
(4 (4))
(5 (3 2))
(6 (1 2 3))
(7 (4 3))
(8 (2 1 2 3))
(9 (4 3 2))
(10 (1 2 3 4))
(11 (3 2 1 2 3))
(12 (4 3 2 1 2))
(13 (3 4 3 2 1))
(14 (2 3 4 3 2))
(15 (1 2 3 4 3 2))
(16 (1 2 3 4 3 2 1))
(17 (2 3 4 3 2 1 2))
(18 (3 4 3 2 1 2 3))
(19 (4 3 2 1 2 3 4))
(20 (3 2 1 2 3 4 3 2))
(21 (1 2 3 4 3 2 1 2 3))
(22 (4 3 2 1 2 3 4 3))
(23 (2 1 2 3 4 3 2 1 2 3))
(24 (4 3 2 1 2 3 4 3 2))
(25 (1 2 3 4 3 2 1 2 3 4))
(26 (3 2 1 2 3 4 3 2 1 2 3))
(27 (4 3 2 1 2 3 4 3 2 1 2))
(28 (3 4 3 2 1 2 3 4 3 2 1))
(29 (2 3 4 3 2 1 2 3 4 3 2))
(30 (1 2 3 4 3 2 1 2 3 4 3 2))
そこでどこかに繰り返しパターンがないかと, 図を描いてみた. すると1から15までのパターンと16から30までのパターンが殆んど同じになる. 16からは基本パターン1,2,3,4,3,2を1サイクル余計に持っているだけである. 従って31からも同じになると判明した.
10,11,12,13,14はそれぞれ15のcomplementの5,4,3,2,1と相補のパターンだし, 6と9, 7と8も相補パターンなことが分かる.
24がちょうどパターンの最後で終るのも幸いしている. 1から24までの和が300で基本パターンの和15の倍数なので, 当然だが.
1,2の繰り返しでも同様なことが出来ることが判明した.
(1 (1))
(2 (2))
(3 (1 2))
(4 (1 2 1))
(5 (2 1 2))
(6 (1 2 1 2))
(7 (1 2 1 2 1))
(8 (2 1 2 1 2))
(9 (1 2 1 2 1 2))
(10 (1 2 1 2 1 2 1))
(11 (2 1 2 1 2 1 2))
(12 (1 2 1 2 1 2 1 2))
(13 (1 2 1 2 1 2 1 2 1))
(14 (2 1 2 1 2 1 2 1 2))
(15 (1 2 1 2 1 2 1 2 1 2))
しかし, 1,2,3,4,3,2ほど劇的ではない.