2009年11月1日日曜日

ドーナッツを截る

The New Margin Gardner Mathematical LibraryにSliced Doughnutという話題があった. ドーナッツを平面で截ると切口はどうなるかというのだ. 中心を通る水平面で截ると, 同心円になる. 中心を通る鉛直面で截ると, あなの幅だけ離れた2つの円になる. さらにある面で截ると, 切口は交差する2つの真円になる. これはどういう場合かという問題である. ドーナッツの直径は3インチ, 穴の直径は1インチとする.

立体の切口を想像するのは, 結構難しい. 円錐を截って楕円が現れることなど, 証明がなければ直ぐには信じられない.

まぁこんなことだろうと, 解答を見たら, 一応合ってはいたが, これもあてずっぽだったで, もう少し確かめたいと思った.

立体の断面の作図は, 駒場の学生のころ, 得意中の得意だったので, それをやってみたら, 存外簡単であった.

上の図はドーナッツの平面図と側面図である. 側面図に鉛直面で截ったときの, 断面の2つの円が見えるが, それに接する, 赤線の平面で截ると, 断面が真円になるらしい.



中の図が, 断面の描き方である. 側面図の中央に座標原点があるとする. 高さtの水平面で截ったときの, ドーナッツとの境界が, C0, C3と, C1, C2で, それを半径をする同心円を, 平面図に示した. 高さtの水平面と斜めの断面との交点をxとすると, ドーナッツの切口は平面図のy0, y1, y2やy3を通る.



従って, tをドーナッツの最下面から最上面まで, 少しずつ動かしながら, yの点を求めてつなげればよい. こういう作業にはPostScriptは適している.

下の図がそうやって描いた断面で, 楕円をしている. もう1本は, 上下対称のはずなので, 省略した. A点は, 截る面がドーナッツに接するところで, 平面図においてAから上を通りBまでは, y>0の点をつなぐ. Bを過ぎ, C,D,Aはy<0の点をとる. Cから下を通ってCまでは, 外側の同心円との交点である.




この楕円の上下の長さは2インチである. 赤線の勾配は30度, 赤線を斜辺をする直角三角形の高さは1なので, 斜辺の長さはちょうどは2インチになり, 真円であることが分かる.

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