微分解析機の加算装置に, 車のデフ型でなく, 遊星歯車型の差動歯車を使う話を書いたが, 正月休みにもう少し定量的に理解したいと思った.
遊星歯車の動き方のアニメーションがここやここにある. でもこのくらいは自分で描きたい.
まず各歯車の動き方を調べた. 下の図で, 周囲の大きい円が外側の内歯車(歯が内側を向いている), その半分の半径の中央の円が太陽歯車Sである. 右の小型の円が衛星歯車で, 真横にあるのが最初の位置Pである.
太陽と衛星歯車は, AとBで, 衛星歯車と内歯車は, CとDで接している. 太陽歯車がA'まで廻転し(回転角をφ), 衛星キャリヤがP'まで来た時, キャリヤの廻転角をθとする. この時, 遊星歯車と内歯車はC"とD"で接している. その移動中に接した歯車は円弧DD"とC'C"でこの長さは等しい. 一方AとBはすでにA'とB'まで移動していて, 今はA"とB"で接している. この方の移動中に接した歯車は円弧A"A'とB"B'でこれも前の長さに等しい.
内歯車, 太陽歯車, 遊星歯車の半径をそれぞれ, R, r, ρ; B"P'B'の角をαとする.
DD"=Rθ=C'C"=ρα=B"B'=A"A'=r(φ-θ)
従ってキャリアの廻転角は θ=φr/(R+r);
衛星歯車の廻転角は α=θR/ρ=φRr/(R+r)ρとなる.
一方, 太陽歯車を固定し, 内歯車をψだけ廻転すると, キャリヤの廻転角θも同様に計算出来る.
θ=ψ*R/(R+r);
α=-ψ*Rr/(R+r)ρとなる.
この両者を合わせ, 太陽歯車の廻転角 φと内歯車の廻転角 ψから, キャリヤの廻転角θは
θ=φ*r/(R+r)+ψ*R/(R+r);
遊星歯車の廻転角αは
α=(φ-ψ)*Rr/ρ(R+r).
前回の歯車の図や, 上の図ではR=200,r=100,ρ=50なので,
θ=φ/3+2*ψ/3;
α=4*(φ-ψ)/3となる.
例えば, 太陽歯車を90度進めると, φ=90からθ=30度, α=120度(上の図). 次に内歯車を90度進めて追い付くと, ψ=90からθ=60度, α=-120度で, キャリヤも90度まで進み, 衛星歯車も最初の接していた両側の点で再び接するようになる.
通信機用のバリコンのつまみは, 太陽歯車に相当し, バリコンはキャリヤ軸についていたとすると, 1/3の減速になるのであった.
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