2010年10月18日月曜日

マッチ棒の立方体

すいぶん前のことだが, 数学セミナーにSystem-5というコラムがあった. 東大の高橋秀俊先生, 森口繁一先生, 学習院大学, のちに東大情報科学科の米田信夫先生, 立教大学の島内剛一先生と私が, 持ち回りでなにか書いていた.

今回のブログは, 私が以前そこに書いたものだ.

オランダ Delft大学のvan der Poel先生が大宮の拙宅に来られた時, おみやげといって, 下の写真のようなマッチ棒で出来た箱を下さった. van der Poel先生によると, デンマークのPeter Naur先生(Backus Naur FormのNaurさん)の問題 「接着剤を使わずマッチ棒だけで立方体を作れ」を考えた結果作ったものだそうだ.

van der Poel先生に頂いたものは, 遠の昔にどこかへいってしまった. この写真のは, 私がこの週末に作ったものである.



マッチ棒を90本も使っているから, ちらちらするが, 三面図を書いてみると, このようになる. 第3角法になっていて, 右下が正面図, 左が側面図, 上が平面図である. マッチの軸に色が着いていて, 薬の部分が白くなっている.




原理的には, 下の図のように, 3対のカードを組合わせ, 対同士を輪ゴムで止めると立体が出来るのと同様である.



実際に作ってみると, この写真のようになる.



ただ, 輪ゴムは, 接着剤ではないが, 違反であって, 輪ゴムの代りにマッチ棒を使えばいいのである. (上の図の左下.) この図ではマッチ棒は抜けてしまいそうだ. しかし, 別の面の力で絞められると, 抜けなくなるのである.

というわけで, 下の図のように, 1,2,3,...,21の順で, マッチ棒を組み立てると, この立方体が完成する. この図では, 薬の方に色がついている. 20と21では, 上に薬が来る時に色がついている.





この図と三面図の正面図の対応は, こうだ. 1は正面図の底の緑の横向きのマッチ. 2は下から2段目の青の奥向きのマッチ. 3から17は, 赤の横向き, 奥向きのマッチ, 18は上から2段目の青の奥向きのマッチ. 19は蓋の緑の横向きのマッチ. 20と21は平面図の奥向きのマッチである.

しかし, 実際やってみると, 賽の河原よろしく, 出来上がる前に崩れてしまう. まぁ, 完成するには, よく考え, ちょっとしたノウハウを利用する必要がある. それは ひ み つ.

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