今回は微分解析機といっても, トルクアンプ, 日本語では回転力増幅器の, それも図の話である.
微分解析機の積分機の出力は, 摩擦で生じる微少な力なので, これで他のものを駆動することは出来ない. ところがNewmanにより, トルクアンプが発明され, それによって微分解析機は実用になった.
トルクアンプは, 下の図のような構造である.
右のinputの軸の回転を, 左のoutputの軸から力を増幅して取り出すのである. その間にロープを書けたドラムが2組あり, ロープの端は, 入力と出力軸に取りつけたT字状のレバーの先に固定されている. ドラムは両端のプーリーにかけたベルトで, 矢印の方向に, 逆方向に回転している. 入力軸が回転しない時は, ロープはドラムの面を滑っている.
今, 入力軸が, 右に回転したとする. そうすると, 下のT字状のレバーが持ち上がり, 左のロープがドラムの上で締まり, ドラムとの間に摩擦が生じ, 上のT字状のレバーが押し下げられ, 出力軸が入力軸と同じ方向に回転する. 回転角が同じになれば, ロープは弛み, 再び滑り出す.
入力軸が反対に回る場合は, 右のドラムの摩擦が生じ, 出力軸はやはり入力軸と同回転する.
つまり, 回転するドラムが動力になり, 入力の微少な力を増幅するのである.
こういう仕掛けは船の碇を巻き上げる装置にもあるらしい.
さて, 上のような図で説明したが, 私としては, ロープを直線で描いたのが気に入らないのである. 図はなるべく正確に描きたいというからには, このようにドラムの縁で光の反射のような図はだめである.
そこで考えたのがこの図である. 上と下のT字状のレバーにロープが繋がっている点をAとEとする. 図の円はドラムの断面である. ロープは, AからBに至ってドラムに接し, BCDFBCDとドラムを1回とすこし回り, Dから離れてEでもう一方のT字状のレバーに辿り着く. 先ほどの図は, これを左から見たものだ. そうすると, ロープ上の点は, Aから下がり, ドラムの円の右半分を上がり, また下がるように見えるはずである. また左右の座標位置は, ロープの長さに比例して右へ移動するはずである.
その移動の様子を, 半径の右の, 点の列で示す. 赤はロープのAからBに対応する. 緑はBCDFBCDに対応, 最後の青はDからEである.
そういう解釈で, 最初の図を描き直すと下の絵になる.
ざっと見ると最初の図と左程違わないが, ドラム回りのロープは本当らしくなったのではないか.
2010年12月25日土曜日
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