2011年4月4日月曜日

古い計算機

前回のブログのDial-A-Maticの計算機の特許の図で, その上方にある歯止めの機能を理解したいと思い, ひがな一日PostScritpで描いた図をこねくりまわした.

すなわち, ダイアルと伝達歯車と歯止めを表示し, パラメータを変えて, ダイアルを少しずつ回転しながら, この点とこの点が接しているはずと, 伝達歯車や歯止めの回転角度を繰り返し調整した.

ダイアルが加算方向に右回転し, 状態が9から0になって繰上げが出る過程の最初が0番の図で, それから以下の紙芝居, あるいはパラパラ漫画は始まる. それぞれの図の右上の番号nは, ダイアルの0番からの回転角が3n度であることを示す.

鳥のようにも見える歯止めには, 左と右に下向きの三角がある. 左のをストッパー, 右のをフォロワーといおう.



最初の0番では, 歯止めは伝達歯車の2本のピンの間をしっかり押さえている. 1番の図に向って, ダイアルの右回転を始めると, ダイアルの突起が伝達歯車のピンを押し, 伝達歯車が左回転し始める. それにより歯止めのストッパーの斜辺が, ピンで上に押され, 歯止めは右に傾く. 1番以降, 赤線は0番の位置を示す.


2番と3番では, ダイアル, 伝達歯車, 歯止めの回転が継続中.



4番. 伝達歯車のピンによるストッパーの押し上げはここまで. つまり歯止めの右回転は終り. この後しばらく, フォロワーはダイアルの0の数字の上の谷の部分を移動する.



6番. 18度回転したので, 状態9と0との中間点に来た.



9番から10番にかけて, フォロワーは0の数字の左の斜面に当り, 押し上げられ, 左回転を始める. 同時にストッパーが, 次のピンの間に下がり始める.





12番でダイアルは36度回転し, 状態0になる. しかし, ストッパーはピンの間に充分には下がっていない.



13, 14, 15番で, 状態が0からさらに1へと変る時, 数字1の方にある高い山の斜面でフォロワーが押し上げられ, ストッパーが伝達歯車のピンの間にしっかり止る.

フォロワーを押し上げる斜面が, なぜ2つに分かれているかは, 残念ながら未解決である. また, 歯止めは, ダイアルの急回転により, 繰上げが2回生じるのを防ぐのが目的なのだが, 8番の図で, ストッパーが上がっている間に, もう1本のピンもストッパーの下を通過しそうにも思える. その辺りも解明出来ていない.

前回も引用した, 繰上げ処理に詳しいウェブ の最後の方に, この計算機の内部の写真が2つある. 特許の図の上の写真は, 蓋を取ったものであり, 最後のは, 教育用に蓋を透明にしたものだ. これ, 欲しいなぁ.

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