2011年4月5日火曜日

八進法算盤

以前このブログに八進法算盤のことを書いた(2008年9月14日). 今回もその話題だ.

前回のブログを書いたころ, 八進法の算盤は私のが最初だろうと思っていた. しかし, 東京理科大学の近代科学資料館で蒐集した算盤群を眺めて目をこする.



手前にあるのは下が3珠の算盤ではないか! これは八進法用なのか. 説明がないから目的は皆目不明である. この算盤の奥には, なんやら二進法の算盤らしいものさえある. 故事来歴を知りたいところである.

ところで...
子供のころ, 学校で算盤を習った. もちろん十進法の算盤である. すこし使い方を覚えると, 1+2+...+10とかやってみたくなる. 答が10までなら55, 100までなら5050なのは, 周知のとうり.

自作の八進法の算盤でも, 1から八進法の10まで足してみると, 上の(天の)珠が並び, 44になって驚く. 同じパターンだ. これは偶然であろうか. たしかに1+2+...+8=36. これは4*8+4だから44なわけだ.

Gaussが子供のころ, 1+2+...+100を計算するのに, (1+100)+(2+99)+...とやった逸話は有名である.

その伝でいくと, 十進法で1から10まで足すのは, まず10を除外し, 1+9, 2+8,...を作るとそれらも10で, 4通り出来る. 5は継子になる. 合計55の1の桁の5は, その継子の5である. 4通りの10と, 最初に除外した10と合わせると10も5組になり, 55になる. この推論はこのまま八進法に適応出来る. なーんだという気分. 八進法の100までの和も4040だ.

もっと一般的にやろう. 2n進法で1から2nまで足すと, 2n(2n+1)/2=n(2n+1)だから, 2nの桁も1の桁もnになるのだね.

Gaussは子供のころ家が貧しかったせいか, こういう神童的な話が伝わる. Gaussが自分で復活祭の日取りを計算する式を考え出したのは, 母親がGaussの誕生日もろくに覚えていないような人だったかららしい.

Gaussといえば, 高木先生の解析概論に, 「Wolframの表には1000以下の素数の自然対数の50桁の表が掲げられてゐる. この表は既に少年がうすが愛用したものである.」という脚注がある. どんな表なのか興味はある. そのWolframはMathematicaのWolfram Researchとは関係ないはずだが, おなじWolframなのも何かの因縁であろう.

さて, iPod touch用に私が開発した電卓は, 八進法, 十進法, 十六進法の各基数で計算が出来る. 基数を十進法に設定し, 10 Ent 11 * 2 /とすると55; 八進法, 十六進法で全く同じ入力をすると, 44と88になり, 当然とはいえ, 楽しい.

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