2013年9月25日水曜日

微分解析機

微分解析機でバックラッシュを減らす仕掛けには, フロントラッシュ以外にも, ラッシュロック(lashlock)なるものがあった.

微分解析機では独立変数軸で回転されるディスクは, 被積分関数軸の値によって前後に動かされる. つまりディスクの載っている台座が, 被積分関数軸に繋がる送りネジ(lead screw)に嵌めたナットと一緒になっていて, 移動するわけだ.

被積分関数の値は結果の積分値に大きく影響するので, この送りネジの工作精度は重要で, ケンブリッジの微分解析機では, 送りネジの作製に微分解析機全体の1/10のコストがかかったという.

ここでもバックラッシュを減らす方法が検討されている. 東京理科大学に保存されている微分解析機にもラッシュロックがちゃんとあった.

下の図でハッチのあるのが送りネジである. それに左の大きいナットと右の小さいナットが嵌めてあり, 大きいナットの上(破線の上)に台座が固定されている. だから送りネジはこのナットを経て台座を動かす.



2つのナットの間には, 太い線で示すバネが挟んであり, 兩ナットを離そうとしている.

小ナットには縁に何か所が切れ目があり, 大ナットから突出した棒の先の爪が差し込めて, 小ナットの回転を防いでいる.

つまり送りネジのネジ山を両端に押してバックラッシュをなくそうとしているのである. なるほどすごい仕掛けだ.

Crank本によると, この仕掛けもトルクアンプと同じく, ベツレヘムスチール社のNiemanが発明したそうだ.

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