Zuseの計算機Z1は金属板の移動で論理素子を実現していて, その金属板は重なっていてるから, これで上手く動くか心配になる.
現に, 戦後再生されたZ1はZuseの存命中は稼働していたが, その死後にはもう動かなくなっているらしい.
さて, 前回の基本素子に続けてAND, OR, XORの回路は次のようだ. 前回のリレーもゲートだからANDでもあるが, 今回のは2つの入力のANDでゲートを制御するものである. (OR, XORも同様)
先ずはAND. 下の2個は入力の制御板, 上の右が出力の受動板, 上の左がクロック信号に相当する能動板である. 然しANDにはもう1個, 中段に遊動板というものが存在する. この図は入力A, Bが共に0の状態で, 棒は2本とも下の位置にある.
この時能動板が右に動いても, 能動板の棒の左に隙間があるので, 棒は動かず, 受動板も動かない. つまり出力も0である.
A=1, B=0の時は, Aの棒が上にいるので, 能動板に従って棒は右に動く. すると遊動板も棒に押されて右に動く. しかし右側の棒はB=0なので下にいて, 遊動板が右に動いても棒が右に動くことはなく, 受動板も動かない.
反対にA=0, B=1の時は遊動板の右の棒は上の位置にあるが, そもそも遊動板が動かないので, 受動板も動かない.
両方が1なら遊動板も動き, それに押されて右の棒も右に動き, 受動板も動いて出力が1になる.
ORは遊動板もないのでもっと簡単だ.
下の2個が制御板である. 上の左が能動板. 右が受動板である.
入力が共に0, 2本の棒が下にあると, 能動板が右に動いてもどちらの棒もそのままなので, 受動板は動かず, 出力も0である.
いずれかの入力が1なら(共に1でも), 少くても1本の棒が上にあがり, 能動板が右に動くと上にあがっている棒に押されて受動板が右に動く.
排他的論理和XORは一番面倒である.
下の制御板, 上左の能動板, 上右の受動板の他に中段に遊動板が2枚ある.
まずA=0, B=0の時. この図の構造で能動板が右に動く. すると上の遊動板は右に動くが, 右の棒の左に隙間があるので, 右の棒は動かない. 下の遊動板は左の棒の右に隙間があるので, これは動かず, 右の棒も動かない.
A=1, B=0の時に能動板が動くと, 上の遊動板は動かないが, 下の遊動板は動き, 下の遊動板の右の棒も動いて受動板が動く.
A=0, B=1の時の能動板が動くと, 上の遊動板が右に動き, それに従ってその右の棒も動くから受動板も動く.
A=1, B=1の時は, 上の遊動板は動かず, 下の遊動板は動くが, 右の棒の左の隙間のせいで右の棒は動かず, 受動板は動かない.
なかなかよく出来ている.
2015年11月28日土曜日
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